2009年2月26日
報道各位
ラサール インベストメント マネージメント
2009年「 不動産投資戦略」レポートを発表
金融危機、景気後退の環境下でも不動産投資の機会あり
世界有数の不動産投資顧問会社であるラサール インベストメント マネージメント(本社:米国イリノイ州シカゴ、最高経営責任者(CEO): ジェフ・ジェイコブソン、以下「ラサール」)は、2009年の世界の不動産市場の見通しをまとめた調査レポート「不動産投資戦略」(15回目)をこのほど発表しました。同調査レポートによると、世界的に不動産のリプライシング(再評価)はかなり進行しているものの、地域と不動産タイプにより格差があるとしています。
同レポートは、商用不動産が世界の金融危機を発生させた原因ではないものの、他の全ての資産クラスと同様に不動産価値が破壊される悪循環に陥っている、不動産証券化商品はデット、エクイティともに激しい価格変動にさらされ、リプライシング(再評価)の必要性が高まってきている、実物不動産投資においても、今後このようなリプライシング(再評価)が必要になるだろう、としています。
ラサールは、こうした厳しい環境下にあって、2009年投資戦略の重要なポイントとして、第一目標に、収益源の確保を、そして第二目標に、資金不足、リプライシング(再評価)という要因を活用して、先行きを見通すことを投資家に提案していく方針です。
ラサールは、よりディフェンシブなアプローチとして、「基本に戻った」ポートフォリオ運用を目指しています。つまり、流動性を重視するとともに、テナントとの関係を緊密に保って市場の新しい実勢に合うように賃貸借契約の早期更新を行い、賃料の調整を迅速に行うことです。また、ラサールは、景気後退の影響を受けにくい市場、およびセクターを重視することが大切だと提案しています。例えば、ヘルスケア、連邦政府・各国政府関連不動産、生活必需品の小売り店舗――などが挙げられます。
ラサールは、世界的な金融危機並びに景気後退の最中ではあるものの、オポチュニスティック投資の第3の波が形成され始めていると示唆しています。またラサールはこのレポートの中で、投資家に対して2009年にはオポチュニスティックセクターを注意深く観察する時間を確保し、出てくる案件を慎重に評価すべきであると助言しています。魅力的なオポチュニスティック投資の対象となる不動産セクターとして、以下に挙げるものを推奨しています。
・ 大幅なディスカウントで取引されているREIT
・ 大幅なディスカウントで取引されているファンド持分
・ 不良債権(ノンパフォーミングおよびサブパフォーミング)
・ 資本構成の再構築を要する債務不履行となった土地取引または開発案件で、投資家が開発中の建物をほぼ無償で入手できるような価格で購入可能なもの
ラサールは、地理的に魅力的な市場としてリプライシング(再評価)において世界をリードしている英国を紹介しています。一方、米国はその市場構造から、不動産のリプライシング(再評価)がより遅れている市場であると述べています。オーストラリア、韓国、ドイツもリプライシンブ(再評価)がかなり進んでいる国ですが、カナダと中国東部の都市は米国同様遅れています。
ラサール インベストメント マネージメントのグローバル ストラテジスト、ジャック・ゴードンは、「市場が長期周期的な修正を経験する場合、発生する脅威と同程度の投資機会も発生します。景気の下降局面でも投資できる資金を持ち、こうした下降局面下での心構えが出来ている投資家にとっては、2009年は投資機会を提供してくれるものとなるでしょう。この場合に採るべき戦略的なアプローチは、真に魅力的な価格と適正に評価されている資産と、さらに安くなるべきである資産とを区別することです」と述べています。
本レポートの共同執筆者の一人である、ラサール インベストメント マネージメントの欧州地域のリサーチ・投資戦略部門の責任者、ロビン・グッドチャイルドは、「当社が目指す規律正しい投資プロセス並びに明確な戦略こそが、世界的に混迷している市場において最善のアプローチであると考えています。特にボラティリティーの激しい時期において当てはまるものです。過剰なまでの防衛的対応は逆に再挑戦のチャンスを失うことになりかねない」と指摘しています。
地域別の展望
2009年には、欧州全域(英国を除く)における不動産市場の投資リターンは、これまでより低くなるものの、魅力的な価格で質の高いアセットを獲得する機会が訪れます。北米地域のストラテジスト、ビル・メイハーは、「北米は、リプライシング(再評価)において英国に明らかに遅行しており、ファンダメンタルズも弱く、2009年は困難な年になるでしょう」と述べています。以前は回復力のあったアジア太平洋圏の不動産市場の2009年の展望は、これまでを下回るものの、パフォーマンスは欧州と北米を上回ると予測しています。
欧州 - 投資機会とリスク
テナント心理も悪化しており、最初は価格修正の問題だったものが、将来的な賃料の伸びに対する懸念につながってきています。銀行借入に過度に依存していない潤沢な資金をもつ投資家にとっては、強制的な売却を迫られた売り手からの物件取得を通し、2009年は投資機会が現れ始める年となると予測しています。
・ 商用不動産および住宅用不動産の両方が過熱したスペイン、英国、およびオランダが、失速のリスクが最も高い国です。
・ 事業の拡大/移転の決定は延期され、オフィス新規賃貸面積はこれまでを下回るでしょう。一方、オフィステナントは一等地の高い賃料を支払うことにますます抵抗感を感じるようになるでしょう。最もリスクの高い市場であるロンドン、マドリード、及びフランクフルトでは、多くのオフィス建築プロジェクトが延期されるでしょう。
・ 欧州の大部分の地域で優良ショッピングセンターの店舗スペース需要は堅調さを維持しています。ただし、スウェーデンとフランスについては需要が減少しています。やや劣後する二次的なショッピングセンターでは、賃貸需要の落ち込みが拡大しています。この市場での最高の投資の機会は、おそらくポーランドとトルコにあるでしょう。
・ 欧州の物流施設市場は、これまで通り、英国、フランス、ドイツに特に集中しているものの、地理的な拡大を見せており、中央・東ヨーロッパ(CEE)でも発展しています。デベロッパーは、建築前段階での賃貸借契約の締結を最優先するでしょう。
・ 小売店舗は、供給の制約により景気後退に強い資産のため、投資家にはポートフォリオの比重をオフィスから小売店舗に移し始めることを勧めます。
・ 投資ターゲットとすべき市場は、価格にもよりますが、フランス、ドイツ、スカンジナビアおよび英国です。
・ 多くの指標によって不動産のプライシングを判断した場合、英国は1990年代の初期以降最高の物件取得機会を提供する市場の一つとなっています。優良な地域に位置する物件には高い取引流動性が残っており、質の劣る資産よりも先に価格が修正されているため、最初の投資機会は、こうした物件から現れます。
・ 今後12~24ヶ月間で、まず重点的に行うべきことは、8%~12%のリターン(レバレッジ前)が期待できるような立地条件の良いコア資産の取得です。よりリスクの高い投資を求める投資家は、エクイティとデットの両方で不良債権化資産を検討すべきでしょう。これらの投資機会からは、可能なレバレッジがどの程度かにもよりますが、15%を超えるリターンを得られる可能性があります。
北米 - 嵐の突端
低迷する経済パフォーマンス、混乱した資本市場、そして悪化する不動産市場を背景に、2009年は北米での不動産投資にとってパフォーマンスが落ち込む年となるでしょう。カナダおよびメキシコ市場のパフォーマンスは米国を上回るものとみられますが、これら全ての国でリターンが低下するでしょう。現在の不動産サイクルは2010年に底打ちすることが予測されますが、ここ1、2年の間に良い投資機会も出てくるでしょう。
・ 特に米国は、2009年以降、信用危機の影響を強く受けるでしょう。2009年にはデットとエクイティの両方の調達が困難となり、取引高が減少するでしょう。
・ 北米の資本市場環境を形成する主な要因:借入資金の不足、コア資金の不足、借入条件に起因するレバレッジ資金の市場からの撤退、深刻化する不動産市場の苦境と、資本市場の苦境などです。
・ テナントの23%を占める金融サービス業の低迷により、米国のオフィス市場は大きく冷え込み、物流施設市場は悪化するでしょう。小売店舗市場は、空室率が上昇し、一層悪化するでしょう。
・ 北米では全体的に、借入コストが高く調達が困難である点が、特に米国における全般的な不動産市場の流動性の欠如を促進する要因となるでしょう。不動産資本市場は、さらに多くの売り手が財務的な困難に直面し、2009年の終わりから2010年の初めにかけて回復し始めるでしょう。
・ 投資家には、複数世帯住宅、長期賃貸借契約付きの生活必需品の小売店舗、経済サイクルの影響を受けないヘルスケアや教育セクターなど、ディフェンシブな性質を有する資産タイプをより重視することを推奨します。
アジア太平洋圏 - 信用危機
信用危機がアジア太平洋圏にまで及んだことで、この地域の見通しは2008年の終わりにかけて大幅に悪化しました。アジア太平洋圏のストラテジストのデイヴィッド・エドワーズは、「この地域の経済成長は引き続き他の主要な地域を上回ると見込まれるものの、米国および欧州における景気の減速が引き続き足かせとなり、アジア太平洋圏の2009年~2010年の成長は減衰することが予測されます。日本は、輸出環境が厳しくなり苦しい状況に陥るでしょう。またインドは、ITセクターにおける投資の鈍化により悪影響を受けるでしょう。中国は、輸出に対する需要の減退の影響を受けるでしょう」と予想しています。
・ アジア太平洋圏では賃貸借契約が比較的短期であるため、毎年多数の賃料改定が行われ、これらが資産価値の修正に反映されます。これらの不動産市場においては、借入市場の流動性の欠如が短期的な悪影響を加速させるでしょう。
・ しかしながら、不動産の稼動に関するファンダメンタルズは比較的堅調なまま推移し、2009年以降、投資機会が生まれるでしょう。
・ 日本の小売店舗セクターは近年になってようやく投資対象資産クラスとして認められてきたところであり、市場軟化の兆候が資本市場で反射的な抑制反応を引き起こしています。しかしながら、今回のリプライシング(再評価)が妙味ある購入機会を提供する可能性があります。オーストラリアでは、小売店舗セクターが引き続き堅調で、香港およびシンガポールでは、下向きの物件価格修正が起こる可能性が高いでしょう。中国とインドは、引き続き家計収入の非常に力強い伸びとその結果としての消費支出の伸びの恩恵を受けるでしょう。
・ 日本の物流不動産市場は、安定したテナント需要の持続期間がさらに継続していくでしょう。香港では、物流施設の供給が抑制されており、インドの物流施設セクターでは、国内のインフラの不備が引き続き課題です。一方、シンガポールにおける近代的物流施設への需要は、今後も伸びるでしょう。オーストラリアでは中期的な投資機会があり、中国の物流不動産セクターは、まだ揺籃期にあります。
・ 信用危機により、資本市場でのリプライシング(再評価)がエクイティとデットの両面で進行しています。成熟した市場ほど銀行はより与信判断に厳格であり、不動産オーナーにとって不本意な決定を強いることから、投資機会がまず最初に現われてくるでしょう。コア投資の投資家が最初に注目すべき市場は日本およびオーストラリアです。
日本
現在、日本経済はグローバルな景気後退局面と金融危機の影響を強く受けています。日本の不動産市場が抱えるリスクは、利回り上昇に対する懸念からキャッシュフローの減少へと広がりつつあります。さらに、キャッシュフローの減少幅は景気後退局面の長さにあり、その回復にはキャピタルマーケットの安定化も必要となることから、現時点では正確な予測が困難な状況にあります。経済と金融に関連する指標は、今回の不況が従来よりも長く深いことを示唆しており、このような不確実性の高い環境下ではまずはディフェンシブ・アセットが投資対象であると考えられます。
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本件に関する問い合わせ先:
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ラサール インベストメント マネージメント概要:
ラサール インベストメント マネージメントは、世界最大の総合不動産サービス企業であるジョーンズ ラング ラサール グループ(ニューヨーク証券取引所上場:JLL)傘下にある、総運用資産額約500 億ドルを有する世界有数の不動産投資顧問会社です。世界規模で私募・公募、デット・エクイティのあらゆる不動産投資活動を展開しています。主要な顧客は、米国・欧州・中東・アジア太平洋地域の大手年金基金および機関投資家です。